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2016/5/11

経済産業情報

欧州中銀が500ユーロ紙幣廃止、犯罪対策で18年末に

この記事の要約

欧州中央銀行(ECB)は4日、同日の理事会で500ユーロ紙幣の廃止を決めたと発表した。ユーロ圏で流通する紙幣で最高額の500ユーロ札が不正蓄財、マネーロンダリング(資金洗浄)など犯罪行為に利用されている懸念があるためで、 […]

欧州中央銀行(ECB)は4日、同日の理事会で500ユーロ紙幣の廃止を決めたと発表した。ユーロ圏で流通する紙幣で最高額の500ユーロ札が不正蓄財、マネーロンダリング(資金洗浄)など犯罪行為に利用されている懸念があるためで、2018年末をめどに発行を停止する。

500ユーロ紙幣は流通しているユーロ紙幣全体の3%にとどまっているが、価値で28%を占める。発行停止後も無期限で法定通貨として通用し、他の紙幣や硬貨と交換できるが、ECBは回収を進め、将来的に流通しないようにする。

500ユーロ紙幣をめぐっては、100万ユーロ(約1億2,000万円)相当でも重量が2.2キログラムと軽く、持ち運びに便利なため、犯罪組織が蓄財やマネーロンダリングに使ったり、テロ組織などでも利用されていると指摘され、廃止論が浮上していた。

これに対して、現金志向が強いドイツ、オーストリアは、超低金利のため現金をタンス預金する人にとって不便になるとして反発。ECBがマイナス金利を一般預金にも適用するための布石という疑いまで持ち出して抵抗していたが、ECBは廃止に踏み切った。これによってユーロ圏では200ユーロ紙幣が最高額の紙幣となる。