墺建設大手のポル(ウィーン)が独同業ビルフィンガーの建築事業買収に意欲を示している。ポルのカールハインツ・シュトラウス社長が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにしたもので、将来性の高いドイツ事業を強化する考えだ。
ビルフィンガーは1月、建築、ファシリティ・サービス、不動産の計3事業売却を検討すると発表した。同社は経営が悪化している。同3事業の買収を複数の企業が打診されたため譲渡の検討に入った。
売却先は投資会社になると目されている。ポルのシュトラウス社長はこれを踏まえ「その投資会社が(ビルフィンガーの)建築事業を転売するのであれば、わが社はとても関心がある」と明言した。
ポルの売上高は昨年35億ユーロで、そのうち19億ユーロを本国オーストリアが占めた。ただ、同国売上は減少している。
ドイツでの売上高は6億4,000万ユーロで、2番目に多かった。同国政府がインフラの更新・拡充方針を打ち出していることから、今年は7億ユーロを大幅に上回る見通しで、中期的には10億ユーロを超えるとみている。
ポルは昨年、ビルフィンガーのポーランド土木事業を2,150万ユーロで買収した。