クラース―「ロシアメーカー」の地位獲得―

農業機械大手の独クラース(ハルゼヴィンケル)は17日、ロシア政府との間で「特別投資契約」を締結したと発表した。これにより同社は「ロシアメーカー」の地位を獲得。同社製コンバインを購入した農家はロシア企業の製品を購入した場合と同じ条件で公的支援を受けられるようになった。クラースによると、顧客農家は補助金と税優遇により購入費負担を最大、半分に抑制できるという。

クラースは昨年10月、ロシア南部のクラスノダールにトラクターとコンバインの新工場を開設した。欧米の経済制裁などを受けて同国経済は低迷しているものの、ロシアは農業近代化の余地が大きいと判断。約1億2,000万ユーロを投じてクラスノダールに同地2つ目の生産施設を建設した。これがロシア政府から評価されて今回、同国メーカーの地位を獲得した。

同社は2005年、国外の農業機械メーカーで初めてロシアに工場を開設した。投資額は約2,000万ユーロ。昨年新たに開設した工場は床面積が約4万5,000平方メートルで、クラスノダールのこれまでの生産施設の9倍に上る。新工場の開設により同市での生産規模は最大で年2,500台に拡大した。

クラースによると、ロシアには農耕に適した土地が1億2,200万ヘクタールあるものの、実際に農耕が行われているのは7,200万ヘクタールにとどまる。近代的な農業機械を投入すれば、利用可能な土地が大幅に広がることから、潜在需要は大きいとみている。

上部へスクロール