ビジネスクラスは消滅か 出張利用が大幅減、長距離でも35%に

ビジネスクラスを利用する出張者が減少し続けている。企業のコスト抑制が年々厳しくなっているためで、独トラベルマネジメント連盟(VDR)によると、従業員500人超の大手企業の社員で長距離路線(欧州域外向け)の利用に際してビジネスを利用した人は昨年35%となり、2004年の53%から18ポイントも減少(グラフ参照)。ビジネスとエコノミーの間を埋めるクラスとして新たに導入されたプレミアムエコノミー(15年:10%)を加えても、ビジネスの04年実績を8ポイント下回った。エコノミーはこの間、44%から54%へと増えている。

国内線ではビジネス利用が4%にとどまり、04年(12%)の3分の1に縮小。欧州線でも16%から4%に落ち込んだ。VDRは「過去10年間の動向をみると、国内線と欧州線でビジネスクラスが完全に姿を消すのは時間の問題のようだ」との見方を示した。

ビジネス離れの傾向は特に自動車部品メーカーで強く、旅行会社の出張サービス担当者はメディアに「ビジネスに全面的に切り替えた企業も複数ある」と述べた。欧州自動車最大手フォルクスワーゲン(VW)の排ガス不正問題を受けてサプライヤーの間に先行き懸念が広がっていることが背景にあるという。

出張費の削減はリーマンショック後に強まった。当初は宿泊費の圧縮が中心だったが、最近はフライト費を削る動きが強まっている。

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