独産業サービス大手のビルフィンガー(マンハイム)は7月29日、イランの製油所拡張プロジェクトに絡んでプロセス制御システム(PCS)を受注したと発表した。受注規模は数百万ユーロ。正確な額は公表しないことで合意した。イランのエネルギー産業は欧米の制裁解除を受けて近代化・更新需要の急増が見込まれることから、同社は更なる受注の獲得を目指す考えだ。
エスファハーン石油精製会社(EORC)が地元エスファハーンに新設するディーゼル水素化処理プラント向けにプロセス制御システムを納入する。同プラントでは欧州排ガス基準「ユーロ5」に対応した環境負荷の少ない軽油が生産される。
ビルフィンガーは同プラントのエンジニアリングと調達を請け負うイラン企業ナルガン(Nargan)から受注を獲得した。
ビルフィンガーは発電所向けサービス事業の売却方針を昨年6月に打ち出したが、再生可能エネルギーを優先するドイツのエネルギー転換政策の影響で買い手がみつからなかった。イランでは同サービスの大きな需要が見込めることから、今回の受注交渉には7月1日に就任したトーマス・バルデス新社長が自らかかわったもようだ。同社長はかつてアラブ首長国連邦のアブダビでシーメンスの石油・天然ガス向け事業を担当していたことから、中東・イランの事情に精通している。