電機大手の独シーメンス(ミュンヘン)は4日の決算発表で2016年9月通期の利益見通しを上方修正した。競合のスイスABB、米ゼネラル・エレクトリック(GE)が苦戦するエネルギー設備分野で好調を保っていることが大きく、1株利益を従来予測の6.4ユーロから6.7ユーロへと引き上げた。上方修正は2度目。
4-6月期(第3四半期)の新規受注高は前年同期比6%増の210億6,000万ユーロへと拡大した。大型受注の効果が大きく、風力タービンなどの再生可能エネルギー設備部門では3.9倍の27億2,900万ユーロに急増。火力発電タービンなどのエネルギー設備部門でも26%増の45億1,200万ユーロと大きく拡大した。6月末時点の受注残高は過去最高の1,160億ユーロに達した。4-6月期の売上高は198億400万ユーロで、5%増加した。
製造事業全体の営業利益は20%増えて21億9,100万ユーロに達した。再可エネ設備、エネルギー設備、エネルギー管理部門で特に大きく伸びた。
製造事業の売上高営業利益率は10.8%となり、前期の9.5%から1.3ポイント上昇。同4.5%と低迷したプロセス&ドライブ部門を除きすべて目標値を達成した。
税引き後利益は横ばいの13億7,200万ユーロにとどまった。比較対象の15年4-6月期は税効果で水準が押し上げられていたという事情がある。