バイエルン州がVWに損賠請求へ、排ガス不正で

独バイエルン州のマルクス・ゼーダー財務相は2日、自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)を相手取って損害賠償請求訴訟を起こすと発表した。ディーゼル車排ガス不正問題の情報開示を同社が遅らせたため、VW株価の急落で同州の年金基金が損害を被ったと主張している。VWの排ガス不正に絡んでドイツの公的機関が損賠訴訟を起こすのは初めて。バーデン・ヴュルテンベルクとヘッセンの2州も損賠訴訟を検討しており、損賠請求の動きは今後、他の州にも拡大する可能性がある。

バイエルン州では公務員年金基金がVWの優先株およそ5万8,000株を保有。昨年9月の排ガス不正問題発覚を受けて同株価が約2週間で45%以上、落ち込んだことから、同年金基金に最大70万ユーロの損出が出たという。

一方、VWの大株主である地元ニーダーザクセン州政府は、現時点で損賠訴訟を起こす考えがないことを明らかにしている。

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