ラインメタル―自動車部品部門のIPO凍結―

独軍需大手ラインメタル(デュッセルドルフ)のアーミン・パッペルガー社長は29日、自動車部品部門KSPGの新規株式公開(IPO)計画を凍結することを明らかにした。軍需部門との連携を強化しシナジー効果を引き出す方が、KSPGを分離するよりも得策と判断したためで、KSPGの社名もラインメタル・オートモティブへと改める。

ラインメタルは2011年、軍需と自動車部品の2部門からなる事業体制の見直し方針を発表した。両部門がそれぞれ柔軟性と競争力を高められるようにすることが狙いで、自動車部品部門についてはIPOを実施。IPO後は出資比率を段階的に引き下げていき、最終的に過半数株を放出する意向だった。

背景には軍需部門の規模が米国やロシアの競合に比べて大幅に小さく、長期的に生き残るには買収や合併を通した事業の巨大化が必要という事情があった。だが、同社が合併先として想定していた独同業クラウス・マッファイが仏ネクスターと合併したことで、合併を通した軍需部門の拡大は実現の見通しが立たなくなっていた。

パッペルガー社長は軍需と自動車部品部門の連携強化の一例として、電気自動車(EV)、ハイブリッド車の技術を軍用車両にも投入することを挙げた。

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