オルネクス―本社を独フランクフルトに移転―

投資会社アドベント傘下の樹脂大手オルネクスが本社をベルギーのブリュッセルから独フランクフルトに移転する。オルネクスはニュージーランド同業のニュープレックスを近日中に買収する見通し。産業立地条件の優れたフランクフルトに本社を移すことで更なる飛躍を図る考えだ。アドベントのパートナーでグローバル化学事業を統括するロン・アイレス氏が『フランクフルター・アルゲマイネ』紙に明らかにした。

オルネクスはフランクフルトに本社を置いていた旧ヘキストの樹脂子会社ヴィアノヴァ・レジンズ(Vianova Resins)の後継企業で、アドベントは2013年に買収。社名を現在のものに改めた。従業員数は2,250人、年商は12億ユーロ。今回の本社移転によりオルネクスはフランクフルトに“帰郷”することになる。

ニュープレックスの買収手続きは昨年10月から進めており、欧州連合(EU)の欧州委員会からこのほど承認された。同手続きを13日に完了する見通し。買収後は年商が20億ユーロを超え、売上高営業利益率(EBITDAベース)は約20%に達するという。

アイレス氏はフランクフルトへの本社移転の理由として◇ドイツは化学産業の伝統があり、経済的にも重要な意味を持っている◇質の高い人材が多い◇研究開発網が充実している◇自動車など顧客産業が発達している◇フランクフルト空港の存在は国際業務の上で重要◇ヴィースバーデン工場に近い――を挙げた。ニュープレックスの欧州拠点がオランダに集中していることから、ドイツに本社を移転することでニュープレックス系の社員が「買収されたという(ネガティブな)意識を持たないようにする」のも狙いだとしている。

アドベントは中期的な選択肢の1つとしてオルネクスの新規株式公開(IPO)を視野に入れている。

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