ドイツ政府は19日の閣議で、原子力発電所の稼働停止から放射性廃棄物の最終保管までの責任分担を定めた一括法案を了承した。全コストを基本的に原発事業4社に負担させる汚染者負担原則(PPP)をベースとしながらも、各社の財務が悪化し同コストをねん出できなくなることを避けるために原発事業者の負担額を明確化。それを超える費用が発生する場合は国が引き受けるという内容だ。法案の成立には連邦議会(下院)と連邦参議院(上院)の可決が必要で、政府は今冬中の施行を目指している。
同法案は原発廃止の財源確保を検討する政府諮問委員会(KFK)が4月に提出した答申に基づいており、原発の稼働停止、解体および放射性廃棄物の包装を原発事業者が自ら行い、その後の中間・最終保管を国の責任で行う。
原発を運営するエーオン、RWE、EnBW、バッテンフォールの4社は中間・最終処分のために設置する国の廃棄物処理基金に総額235億ユーロを支払い、中間・最終処分義務の免除を受ける。国は4社から同基金に払い込まれた資金をもとに中間・最終保管を行っていく。資金が足りない場合は公的資金で賄うため、納税者負担が発生することになる。