製薬・化学大手の独メルク(ダルムシュタット)は15日の決算発表で2016年12月期の営業利益(EBITDA、特別要因を除く)見通しを引き上げた。製薬部門で中止となった研究プロジェクトの引当金およそ4,000万ユーロを取り崩したほか、開発コストの管理を改善したことが奏功。従来予測の「42億5,000万~44億ユーロ」から「44億5,000万~46億ユーロ」へと上方修正した。
16年7-9月期(第3四半期)のEBITDA(同)は前年同期比24.3%増の11億7,400万ユーロと大幅に拡大した。米試薬大手シグマ・アルドリッチ買収の効果でライフサイエンス部門の同利益が110.7%増の4億2,400万ユーロと2倍強に達したことが大きい。売上高も同買収が反映されて19.3%増の37億2,400万ユーロに拡大した。純利益は25.5%増の4億5,700万ユーロだった。
9月末時点の純債務は116億4,900万ユーロで、昨年末から7.9%減少した。