メルツ―従業員を1割削減へ―

新薬メーカーの独メルツ(フランクフルト)は18日の決算発表で、従業員の約1割に当たる250~300人を削減することを明にした。主力製品の特許切れと新製品の開発の失敗を背景に業績悪化が続いているため。同社は2年前にも100人の整理方針を打ち出しており、人員削減の規模は合わせて350~400人に達する。

同社は特許薬メーカーとしては規模が小さく、グリューネンタールと並んでドイツの最下位グループ(売上ベース)を形成している。主力製品であるアルツハイマー治療薬「メマンチン」の特許が多くの市場で失効しているうえ、期待の耳鳴り治療薬で開発に失敗。経営資源を美容分野に絞り込む方針を打ち出したものの、これまでのところ十分な成果が上がっていない。

2016年6月通期決算の営業利益(EBIT)はメマンチンの特許切れが響いて前期比48.4%減の1億3,180万ユーロへと後退。売上高は5.5%減の10億9,290万ユーロだった。

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