メルク―事業拠点整理へ、日本の拠点も該当―

製薬・化学大手の独メルクが事業拠点を統廃合する計画だ。米試薬大手シグマ・アルドリッチの買収に伴う措置で、少なくとも5拠点を閉鎖する。メルクへの取材などをもとに『フランクフルター・アルゲマイネ』紙が28日付で報じた。

メルクは昨年、シグマ・アルドリッチを170億ドルで買収した。買収規模は同社史上最大。メルクは重複業務の統合などを通して2018年までにコストを年2億8,000万ユーロ圧縮する目標を打ち出している。

事業拠点の整理はこれを受けた措置で、スイスのザンクト・ガレンにあるシグマ・アルドリッチの欧州・中東・アフリカ事業統括拠点を来年末で閉鎖する。このほかシグマ・アルドリッチの石狩事業所および米ミズーリ州セント・チャールズ、カリフォルニア州ヘイワード、ブラジルのリオデジャネイロにある拠点を廃止する。英ノッティンガムにあるメルク系の拠点も従業員との交渉結果次第で閉鎖する可能性がある。

メルクはすべての事業の統括拠点を本社所在地のダルムシュタットに集約する方針を打ち出している。このため米セントルイスにあるシグマ・アルドリッチの本社は米ボストン、仏モルスアイム、独ダルムシュタットと並ぶメルクのライフサイエンス部門の主要拠点(ハブ)へと格下げされる。

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