自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)は12月20日、VWグループのディーゼル車の排ガス不正操作問題に絡んで、3リットル車を保有する米国の顧客代表、当局と和解合意したと発表した。2リットルエンジン車をめぐる問題ではすでに和解が裁判所から承認されており、同国における排ガス不正の民事訴訟は決着する見通しとなった。カダダでも2リットル車で和解合意が成立している。
米国での今回の和解は3リットルTDI-V6ディーゼルエンジンを搭載するアウディ、ポルシェ、VWブランドの計8万3,000台を対象としたもの。このうち2009年式と2010年式の計2万台はVWがすべて買い戻し、2011年式以降のモデルはリコール(無料の回収・修理)で対応する。これらの措置のコストは不明。同社はこのほか、環境基金に2億2,500万ドル、カリフォルニア州大気資源局(CARB)に2,500万ドルを支払う。
違法なソフトウエアをインストールした2リットルTDIエンジン搭載のディーゼル車をめぐる米国の係争では、総額147億ドルを支払うことがすでに確定している。
カナダの和解は2リットル車を対象としたもので、計10万5,000台が該当。VWは補償金の支払いや買い戻しに最大21億カナダドル(15億ユーロ)を支払う。またこれとは別に、罰金1,500万カナダドルを支払う。同和解合意の成立には裁判所の承認が必要。3リットル車をめぐる同国の係争では和解合意が成立していない。