輸入物価が約5年ぶりの上げ幅、12月は3.5%に

ドイツ連邦統計局が1月27日発表した2016年12月の輸入物価指数は前年同月を3.5%上回り、12年1月以来の大きな上げ幅となった。同物価の上昇は2カ月連続。上げ幅は前月の同0.3%から急拡大した。これまで長く物価を押し下げてきたエネルギーが23.1%上昇したことが大きい。エネルギーを除いた輸入物価の変動率はプラス1.4%だった。

エネルギーでは石炭の上げ幅が最も大きく41.8%に達した。原油(同36.9%)、電力(31.9%)、石油製品(23.4%)も2ケタ台の伸びを記録。天然ガスは3.2%だった。

中間財は2.5%上昇した。鉱石の上げ幅が特に大きく、鉄鉱石は43.4%、非鉄金属鉱石は26.3%に上った。金属も銑鉄・鉄鋼・鉄合金(10.8%)と非鉄金属(10.6%)がともに2ケタ台の伸びとなり、粗ニッケルと粗銅はそれぞれ22.9%、21.5%を記録した。アルミニウムは0.7%落ち込んだ。肥料・窒素化合物は19.1%減と大幅に下落し、リグニン・セルロースも8.0%低下した。

投資財と耐久消費財は各マイナス0.6%、マイナス0.1%。投資財では特に電算機器(-4.6%)の下落幅が大きかった。

消費財は2.0%の上昇で、農産物は5.6%高くなった。豚肉(21.5%)、コーヒー生豆(18.2%)、牛乳・乳製品(11.7%)は上げ幅が2ケタ台に上った。

12月の輸入物価指数は前月比では1.9%増となり、08年5月以来の大幅な伸びを記録した。エネルギーが11.3%上昇。鉄鉱石も11.7%高くなった。エネルギーを除いた輸入物価の上昇率は0.8%だった。

16年全体の輸入物価指数は前年を3.1%下回り、09年以来の大幅下落となった。低下は4年連続。エネルギーが16.8%落ち込んで全体を強く押し下げた格好で、エネルギーを除いたベースでは下げ幅が1.4%だった。エネルギー以外では非鉄金属鉱石(-7.0%)、非鉄金属(-6.8%)、銑鉄・鉄鋼・鉄合金(-5.1%)、カカオ(-7.4%)、穀物(-7.0%)で下落率が大きかった。鉄鉱石も1.2%低下した。

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