ドイツ連邦統計局が9日発表した2016年の輸出高(暫定値)は1兆2,075億ユーロとなり、過去最高となった前年を1.2%上回った。記録更新は3年連続。貿易黒字と経常黒字も拡大しており、米国など経常赤字を抱える国からの圧力が強まりそうだ。
輸出高は欧州連合(EU)のユーロ非加盟国向けが2.8%増の2,661億ユーロに拡大。ユーロ加盟国向けも1.8%増えて4,418億ユーロとなった。EU域外向けは0.2%減の4,996億ユーロへと落ち込んだ。
輸入高は0.6%増の9,546億ユーロとなり、こちらも過去最高を記録した。EUのユーロ非加盟国からが4.1%増の2,036億ユーロと伸び率が大きく、ユーロ加盟国からも0.7%増の4,289億ユーロに拡大した。EU域外からは1.7%減の3,221億ユーロへと縮小した。
貿易黒字は3.5%増の2,529億ユーロで、過去最高を更新した。経常収支は5.3%増の2,660億ユーロだった。
16年12月の輸出高は前年同月比6.3%増の974億ユーロに拡大した。輸入高は7.4%増の787億ユーロで、貿易収支の黒字幅は1.6%増の187億ユーロに拡大。経常黒字は5.5%減の240億ユーロに落ち込んだ。
米国のトランプ新政権は同国の経常赤字解消を主要な政策課題に掲げており、1月末には国家通商会議のピーター・ナバロ委員長が、ドイツは大幅なユーロ安を利用して巨額の経常黒字を不当に獲得していると批判した。