マウザー―投資会社が転売―

産業用容器大手の独マウザーは7日、米投資会社CD&Rが同社を投資会社ストーン・キャニオン・インダストリーズに売却することで合意したと発表した。取引金額は23億ドル(21億ユーロ)。CD&Rはマウザーの新規株式公開(IPO)方針を示していたが、売却に切り替えた。

マウザーは1896年の設立で、ケルン近郊のブリュールに本社を置く。化学・食品産業向けに樹脂・スチール製のドラム缶や中間バルクコンテナ(IBC)を製造しており、従業員数は4,500人、売上高は14億ユーロ強。

CD&Rは2014年、同社をアラブ首長国連邦の公営投資会社ドバイ・インターナショナル・キャピタル(DIC)から12億ユーロで買収した。それから3年足らずで転売。巨額の売却益を獲得する。

マウザーのIPOはニューヨーク証券取引所で行う予定だった。売出価格も発表するなど計画は具体化していたが、CD&Rはこれと並行して売却交渉を進めていた。IPO計画は同売却交渉の相手だったストーン・キャニオン・インダストリーズに圧力をかける狙いで進められたとみられている。

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