メルク―9年ぶりに新薬上市、がん免疫治療薬を米当局が承認―

製薬大手の独メルク(ダルムシュタット)は23日、米同業ファイザーと共同開発したがん免疫治療薬「アベルマブ(Avelumab)」の販売許可を米食品医薬品局(FDA)から取得したと発表した。メルクが新薬の販売許可を受けるのは9年ぶり。欧州連合(EU)でも同薬に対する承認が年内に下りると予想している。

アベルマブは2015年、皮膚がんの一種である転移性メルケル細胞がん(mMCC)を対象にFDAから希少疾病用医薬品の指定を受けた。FDAは今回、mMCC治療薬を初めて承認した。

アベルマブは他のがんの治療でも薬効が見込まれており、肺がん、腎臓がんなど計9分野で治験の最終段階である第3相臨床試験(フェーズ3)が行われている。

メルクは新薬開発の相次ぐ失敗で大きな痛手を負ったことを受けて、コストがかさむ臨床試験を他社と共同で進める戦略を打ち出している。

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