ネット通販世界最大手の米アマゾンが生鮮食料品の販売をドイツで開始するもようだ。経済紙『ハンデルスブラット(HB)』が業界情報として22日報じたもので、配達業務はドイツポスト子会社のDHLが全面的に引き受けるという。両社は報道内容へのコメントを控えているものの、アマゾン独法人のラルフ・クレーバー社長は昨秋、「(生鮮食料品販売事業は)参入するかどうかではなく、いつ参入するかという問題だ」と明言しており、準備を進めているのは間違いないとみられる。
HB紙によると、アマゾンはまずベルリンで4月から生鮮食料品の販売を開始。その後、配達地域を全国に広げていく。その準備として現在、保冷機能を備えた物流センターをミュンヘン東部に建設している。
DHLはネットスーパー、オールユーニードフレッシュ(Allyouneedfresh)を買収し、生鮮食料品宅配のノウハウを集めてきた。アマゾンはこれを評価してDHLに白羽の矢を立てたもようだ。
市場調査大手GfKによると、独食品通販業界の売上高は11億ユーロで、食品販売市場に占める割合は約1%にとどまる。ただ、市場は拡大しており、2025年には70億ユーロに達する見通しだ。
最大手は大手スーパーのレーベで、国内75都市で宅配サービスを展開している。売上高は推定1億ユーロ以上。食品ネット通販ハロー・フレッシュは食料品を断熱ボックスに入れて配達するサービスを物流大手DPDの協力を受けて実施する。