フランクフルト国際空港の運営会社フラポートは5日、同空港最大の顧客であるルフトハンザ航空との間で協定を締結した。フラポートはアイルランドの格安航空(LCC)に便宜を図ったことから、同LCCと競合するルフトハンザが反発。関係が悪化していた。フラポートは今回の協定でルフトハンザに譲歩しており、関係改善に向けた第一歩と目されている。
フラポートは昨年11月、今春から同空港を利用するライアンエアに特別の便宜を図る意向を表明した。同空港発着便の約6割を占めるルフトハンザはLCCにシェアを奪われ苦戦していることから、これに反発。ライアンエアに対し不利にならない待遇を要求するとともに、一部機材の駐機空港をミュンヘンへと移す措置などを表明し、圧力をかけていた。
今回の合意では、同空港を今年から利用する航空会社にのみ適用するはずだった割引措置を、来年から利用する航空会社にも適用することが取り決められた。ルフトハンザはライアンエアに対抗するためにLCC子会社ユーロウイングスのフランクフルト発着便を来年から運行する計画であることから、ライエンエアと同じ割引を受けられるようになる。
フラポートはこのほか、来年は空港使用料金の値上げを見送ることも明らかにした。ルフトハンザをはじめとする航空会社にとってはコスト負担が増えないというメリットがある。
ルフトハンザはフラポートに対し様々な不満を持っていることから、今後も協議を進めていく予定だ。