ソーラーワールド―従業員を一時解雇へ―

5月に経営破たんした太陽電池モジュール大手の独ソーラーワールド(ボン)は17日、従業員の多くを8月1日付で一時解雇(レイオフ)する意向を明らかにした。労働局による給与の立替支給が打ち切られる7月末までに新たな投資家を確保する見通しが遠のいたためで、8月以降は従業員数を大幅に減らしたうえで業務を継続することになる。

ドイツでは倒産した企業の社員に対し労働局から給与と同額の未払い給与代替手当(Insolvenzgeld)が最大3カ月間、支給される。このためこの期間中は事業を継続できる。管財人は同期間を利用して売却先を模索。成功すれば雇用は全面ないし部分的に維持されるものの、失敗すると会社清算を余儀なくされる。

ソーラーワールドの買収に関心を示す企業は複数ある。だが、同社の法的関係が複雑に入り組んでいることから、適正評価手続き(デュー・デリジェンス)が長期化。同手続きは11月まで続く可能性があるため、同社に資金を注入する投資家が7月末までに見つかる可能性がなくなった。

ソーラーワールドの従業員数は会社更生手続きの適用を申請した5月11日時点で約2,200人に上った。現在は1,850人に減少している。同社はこのうち何人を一時解雇の対象とするかを7月最終週に決定する。