中国2社が保険大手アリアンツの買収を打診

独保険大手アリアンツの買収を中国の安邦保険と海航集団(HNAグループ)が打診していたもようだ。『南ドイツ新聞(SZ)』などが6日報じたもので、買収協議はすでに終了。再開の可能性はほとんどないという。関係各社は報道内容へのコメントを控えている。

中国2社は今年、それぞれ個別にアリアンツの過半数株取得の可能性を打診。NHAは50%未満の株式取得も打診した。買収協議は早い時点で終了した。

買収合意が実現しなかったのは、アリアンツにその意思がなかったほか、当局の承認を得るのが極めて難しいためだ。

中国政府は最近、自国企業による外資買収を抑制している。投資資金を国内に振り向けたいと考えているためで、時価総額が800億ユーロと巨額なアリアンツの買収を承認する可能性はほとんどない。

また、アリアンツは国際金融システム上の重要企業であることから、同社の事業と株主構成には規制当局の厳しい視線が注がれており、独金融監督庁(BaFin)は10%以上の株式を持つ株主の信頼性や財務状態、ビジネス手法を調査し、株主としての適性をチェックできる。

中国2社はこうした事情を受けて買収を断念したもようだ。

HNAは2月、ドイツ銀行の株式3%強を取得して資本参加した。その後、出資比率を引き上げ、現在は9.9%を保持している。

SZ紙の7月の報道によると、HNAに対してはドイツ銀の大株主であるカタールの投資家と共謀して保有株以上の影響力を行使したとの疑いが持たれており、欧州中央銀行(ECB)は株主としての適性の調査に乗り出した。

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