エーオン(エネルギー)―火力発電のユニパーから完全撤退へ―

エネルギー大手の独エーオン(エッセン)は20日、同社から分離独立した火力発電会社ユニパーの全保有株46.65%をフィンランド同業のフォータムに売却する方向で交渉していることを明らかにした。ロイター通信が報じ同社が追認したもので、交渉がまとまればユニパーから資本を全面的に引き上げることになる。

フォータムはユニパーを対象とする株式公開買い付け(TOB)を実施する考えで、エーオンはこれに応じる形でユニパー株を売却する。買い取り価格は1株当たり現金22ユーロで、エーオンには売却益38億ユーロが入ることになる。フォータムはTOBの成立条件を設定しない。

エーオンとフォータムの交渉は進展した段階にあり、年内にも合意が成立する可能性がある。ただ、エーオンは税法上の理由からTOB受け入れの最終決定を来年初頭に下す考えだ。

エーオンは経営資源を将来性の高い再生可能エネルギー事業などに絞り込む目的で火力発電や国際エネルギー取引、石油・ガス採掘事業を分離。これら事業の受け皿となる子会社ユニパーを昨年1月1日付で設立した。同9月には新規株式公開(IPO)でユニパー株53.35%を放出し、出資比率を50%未満に引き下げていた。

フォータムはTOBでユニパーの過半数株を確保する可能性もある。ただ、ユニパーに対しては独競合RWEが関心を示していることから、RWEの出方次第では買収合戦に発展することになる。

上部へスクロール