ティッセンクルップ―鍛造部品統括会社を設立―

独複合企業ティッセンクルップは4日、鍛造部品事業を統括する新会社を新年度がスタートした1日付で立ち上げたことを明らかにした。世界の当該事業を垂直的に運営することで収益力を強化するほか、新たな事業分野を開拓する狙いだ。

新会社ティッセンクルップ・フォージド・テクノロジーズ(Thyssenkrupp Forged Technologies)を本社所在地エッセンに設立した。同子会社は欧州、アジア、南北アメリカに計18工場を持つ。従業員数は約7,000人で、年商はおよそ10億ユーロに上る。

ティッセンクルップはこれまで、鍛造部品を主に自動車向けに供給してきた。だが、電気自動車(EV)が今後、本格的に普及すると、クランクシャフトやコンロッドなどエンジン関連部品の需要減少が予想されることから、自動車以外の分野で市場・顧客を開拓していく考えだ。

新会社の営業利益(EBIT)は5%未満と低迷している。ティッセンクルップはこれを6~8%へと引き上げる目標。新会社の設立に向けて過去2~3年間に従業員を合わせて約1,000人、削減したことから、さらなる人員整理は実施しない。

ティッセンクルップは9月、鉄鋼事業を印タタ製鉄と統合し、同事業から撤退する方針を打ち出した。鍛造部品事業については手元に残す考えを示している。

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