電子書籍の利用者が緩やかながら減少していることが、独情報通信業界連盟(Bitkom)の消費者アンケート調査で分かった。付加価値税の軽減税率が適用されないことが響いているもようで、同連盟は税率引き下げを政府に要求した。
14歳以上の消費者を対象にBitkomが実施したアンケート調査によると、電子書籍の利用者は23%で前年から1ポイント低下。2年連続で落ち込んだ。
ドイツでは紙の書籍に7%の軽減税率が適用されるのに対し、電子書籍には19%の標準税率が適用される。このため電子書籍の税込み価格は紙の書籍とほとんど変わらない。アンケートでは電子書籍にも軽減税率を適用すべきだとの回答が73%に達した。
一方、電子書籍を利用しない消費者に不利用の理由をたずねた質問では、「印刷した書籍の方が内容を理解しやすい」との回答が最も多く63%に上った。これに「電子書籍リーダーは価格が高い」(42%)、「ディスプレー上で読むのが好きでない」(38%)が続いた。
電子書籍を利用する人に利用の理由をたずねた質問では、「いつでも入手できる」が86%で最も多かった。2位は「場所をとらない」(69%)、3位は「旅行などで持ち歩く際に重くない」(67%)、4位は「どこからでもアクセスできる」(62%)だった。
電子書籍を読み際の機器では電子書籍リーダーが最も多く67%に上った。昨年は46%だったことから21ポイントも増加したことになる。スマートフォンは昨年に引き続き2位をキープしたものの、同割合は41%から39%へと低下した。3位はタブレットPCで、24%から29%へと上昇。ノートパソコンは39%から26%に低下し4位に落ち込んだ。5位のデスクトップパソコンは15%から8%へと下落した。