食品・飲料世界最大手のネスレ(スイス、ヴェヴェイ)は15日、乳幼児向け栄養食品事業を再編すると発表した。大きな収益源である同事業のさらなる成長を促進するため、一括運営から3地域体制に転換し、各地域が現地の需要にきめ細かく対応して、業務を効率的に行えるようにする。
乳幼児向け栄養食品事業は、これまでグローバル事業本部が統括してきた。今後は欧州、南北アメリカ、アジアの3地域に分け、各地域に責任者を配して経営を委ねる。
ネスレは乳幼児向け栄養食品で世界最大手。世界の需要の3分の1を占める中国でもトップのシェアを握っている。
今年1月に就任したウルフ・シュナイダー最高経営責任者(CEO)は、グループの販売伸び悩みが続くなか、今後も成長が期待できる同部門を底上げするために再編を決めた。各地域の責任者が需要に応じた戦略を迅速に推進することで、仏ダノンなどライバル企業との厳しい競争を乗り切りたいという意図がある。