電動二輪専用道で都市交通問題を緩和、BMWがコンセプト

自動車大手の独BMWは22日、巨大都市の交通問題緩和コンセプト「BMWビジョンE3ウェイ」を発表した。電動アシスト付自転車や電動キックスクーターといった電動二輪車の専用道路を活用するのがポイントで、渋滞や大気汚染の緩和につながるとしている。

大都市は人口が多いことから従来型の道路や公共交通機関だけでは渋滞などを解消できないという問題を抱えている。BMWビジョンE3ウェイはその改善策として、上海にある同社の技術拠点(テクノロジー・オフィス)が現地の同済大学と共同作成したもので、Eの頭文字を持つ「高架(elevated)」「電動(electric)」「効率(efficient)」の3点がポイントとなっている。

電動二輪車専用の高架道路網を地下鉄の駅やショッピングモールなど主要な交通結節点に接続する形で設置する。これにより交通結節点間を速やかに移動できるようになることから、通勤距離が15キロ以内であれば効率的な移動が可能になるという。モジュール方式で設置できるため、低コストで建設できるとしている。

自動車や歩行者との衝突事故のリスクがないことから安全性も高い。走行速度は最大時速25キロに制限される。電動アシスト付自転車などを持たない人向けにレンタルサービスを提供し、誰でも適宜、利用できるようにする。

快適性も重視しており、高架道路には基本的に天井が設置され、雨に濡れる心配がない。また、雨水を利用した冷却システムを導入するため道路の温度が高くなることもない。雨水はまた、夜間の道路清掃に用いられる。

同コンセプトには渋滞緩和、有害物質の排出削減、事故減少、移動時間短縮の効果があることが実現可能性調査で確認されたという。渋滞緩和には自動監視システムや人工知能も活用する。あらゆる巨大都市に適用できるとしている。

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