ドイツの樹脂包装材ゴミ、10年で30%増加

財界系シンクタンクIWドイツ経済研究所は22日、ドイツで発生する樹脂包装材ゴミの量が2005年から15年の10年間で29%増加したことを明らかにした。欧州連合(EU)平均の同12%を大幅に上回っており、15年の住民1人当たりの発生量もEUの31.1キログラムに対し37.4キロへと達した。IWは樹脂が食物連鎖を通して植物、動物、人間に蓄積することを指摘。樹脂包装材の増加が温暖化と並ぶエコシステムの大きなリスク要因になっていると警鐘を鳴らした。

ドイツで樹脂包装ごみが増えている大きな理由の1つは、飲料容器に占めるリターナブル容器の割合の低下だ。同割合は2006年の約60%から15年には46%弱へと落ち込んだ。

一方、樹脂包装材のリサイクリング比率(15年)をみると、ドイツは49%で、EU平均の40%を上回った。リサイクルされていないものも大部分が発電に用いられており、有効活用されている。

ギリシャやポーランド、ラトビアではリサイクルも発電利用もされない樹脂包装材ごみの割合が60%を超えている。IWはそうしたごみの多くが最終的に風や河川を通して海に行きついており、リサイクル比率向上の重要性を訴えた。

EUの欧州委員会は現在、同比率の引き上げに向けた政策案を作成中で、12月初旬に公表する予定だ。IWによると、25年までにリサイクリ比率を55%に高める目標という。

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