フォルクスワーゲン―中国でSUVと電動車のモデル攻勢―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW、ヴォルフスブルク)は23日、主力のVWブランド乗用車が中国で新モデル攻勢を開始すると発表した。需要が高いSUVと来年から製造・販売比率規制が敷かれる電動車(新エネルギー車)を重点投入し、需要を取り込んでいく考えだ。

SUV攻勢の第一弾として同日、新型「トゥアレグ」の世界初公開を北京で行った。2020年までにさらに最低10モデルを市場投入する考え。今年はトゥアレグを含めて5モデルを発売する。

世界的に需要が高まっているSUVは中国で特に人気が高く、近い将来に同国の新車の2台に1台を占めるようになると予想されている。VWがこれまで現地で販売してきたのは「ティグアン」と「テラモント」の2モデルで、昨年は合わせて約40万台だった。VW車の現地販売(320万台)に占める割合は13%と、市場全体に占めるSUVの割合(35.5%)を大きく下回ることから、SUVのモデル拡充に乗り出した。

新エネルギー車(NEV)では今年、SUV「ティグアン」のプラグインハイブリッド車(PHV)と中国の主力モデル「ボーラ」の電気自動車(EV)を市場投入する。20年からはプラットフォーム「MEB」をベースとした新世代の電気自動車「I.D.」も販売する計画だ。

VWは中国でのモデル攻勢に合わせて大がかりなPR活動「ムーブ・フォワード」を展開。イベントやSNSを通して製品、技術、中国での事業計画などをアピールしていく。

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