ドイツ連邦陸運局(KBA)が4日発表した3月の乗用車新車登録台数は前年同月比3.4%減の34万7,433台となり、3カ月ぶりに落ち込んだ。比較対象の昨年3月に比べて営業日数が2日少なかったが響いた格好。需要自体は堅調を保っており、1~3月の累計は前年同期比4.0%増の87万8,611台へと拡大した。同期としては18年ぶり(2000年以来)の高水準だ。
3月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車は73.1%増の3,792台と、これまでに引き続き大きく伸びた。環境対応車の購入補助金制度が奏功した格好。ハイブリッド車は45.4%増の1万874台で、同助成金の対象となるプラグインハイブリッド車は31.9%増の3,018台だった。
ガソリン車は9.3%増加し、シェアは前年同月の56.5%から64.0へと大きく拡大した。排ガス性能の低い旧型ディーゼル車の市内乗り入れ制限が多くの都市で現実味を帯びていることから、ガソリン車の需要は拡大傾向にある。ディーゼル車は25.4%減少し、シェアは40.6%から31.4%へと低下した。
新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均128.7グラムで、前年同月を0.8%上回った。排気量が大きいSUVと、ディーゼル車に比べてCO2排出量が多いガソリン車の需要増が背景にある。
伸び率が最も大きかったブランドは三菱で、前年同月比42.5%増の6,405台へと拡大した。これにホンダ(22.4%増の3,083台)、スマート(15.8%増の3,652台)、アルファロメオ(12.7%増の702台)、現代(10.8%増の1万1,688台)が続いた。
スマート以外のドイツ車ではミニ(4.3%増の4,657台)とVW(1.8%増の6万4,496台)が増加。その他はすべて減少した。各ブランドの実績はフォードが1.2%減の2万6,890台、メルセデスが5.4%減の2万9,583台、BMWが5.4%減の2万6,278台、アウディが12.8%減の2万5,673台、ポルシェが13.9%減の3,008台、オペルが23.4%減の2万1,147台だった。
三菱とホンダ以外の日本車ではスズキが3.7%増の3,971台へと拡大した。その他のブランドはマツダが1.2%減の7,350台、トヨタが6.9%減の8,379台、日産が8.4%減の7,786台、レクサスが15.7%減の296台、スバルが27.4%減の664台。
日本車以外の主な輸入車ではジープ(9.5%増の1,625台)、ダチア(8.9%増の6,269台)、プジョー(8.1%増の7,092台)、セアト(4.8%増の1万1,482台)、シュコダ(3.9%増の1万9,567台)、起亜(2.1%増の5,877台)、フィアット(1.8%増の1万129台)が増加。シトロエン(5.1%減の5,894台)、ランドローバー(6.7%減の2,702台)、ジャガー(11.4%減の1,339台)、ルノー(16.3%減の1万2,804台)、DS(19.3%減の451台)、ボルボ(24.8%減の3,519台)、双竜(25.2%減の231台)、テスラ(36.1%減の428台)は減少した。
一方、独自動車工業会(VDA)が同日発表した3月の国内乗用車生産台数は52万3,600台で、前年同月を8%下回った。同輸出台数は11%減の39万1,600台。1~3月の累計は生産台数が前年同期比6%減の142万4,900台、輸出台数が6%減の109万9,000台だった。国内生産と輸出台数は独メーカーの国外生産拡大を受けて減少傾向にある。