ドイツ機械工業連盟(VDMA)は11日、同国からロシアへの機械の輸出高が昨年は前年比22.5%増の53億2,900万ユーロとなり、5年ぶりに拡大へと転じたことを明らかにした(表1を参照)。原油価格の上昇を受けて露経済が回復したことが大きい。ただ、欧州連合(EU)と米国の対露制裁は現在も輸出の足かせとなっており、VDMAのウルリヒ・アッカーマン貿易部長は「ロシア経済が緩やかに回復しているまさにこの現在、欧州メーカーは制裁の影響で不利な状況に陥っている」と危機感を表明した。
ドイツの対露機械輸出で最も大きな割合を占めるのは農業機械で、9.1%に上った。これに物流技術(7.4%)、食品・包装機械(7.2%)、建設・建材機械(6.5%)が続いた。
ロシアの機械輸入市場でドイツは長年1位を保ってきたが、2016年に中国に抜かれ2位へと転落した。中国製品の同年の輸入高は前年比73%増の49億ユーロへと急拡大。ドイツ製品はEUの制裁の影響で4%減の44億ユーロへと落ち込んだ(表2を参照)。17年は中国が同4%増の51億ユーロと小幅な伸びにとどまったことから、ドイツは首位を奪回したものの、かつてのようにダントツの1位ではない。
VDMAはロシアの今年と来年の経済成長率がともに最大2%にとどまる見通しを踏まえ、ドイツ製機械のロシア向け輸出が今後2年間は小幅な伸びにとどまるとの見方を示した。12年に記録した過去最高(79億8,600万ユーロ)には遠く及ばないとしている。