ドイツの鉄道業界は2024年末以降に新規投入する車両から純粋なディーゼル機関車を排除する意向だ。政府の二酸化炭素(CO2)排出削減目標を踏まえた措置で、ディーゼル機関車を燃料電池列車や電池列車に置き換えていく。鉄道事業者業界団体VDV、ドイツ鉄道(BD)、鉄道車両製造のシーメンス、アルストムなどが4月25日に明らかにした。
政府は国内鉄道路線の70%を25年までに電化する目標を掲げている。ただこれが実現したとしても、残り30%の路線では架線給電型の電車を投入できない。
VDVやDBはこれを踏まえ、架線のない路線にはディーゼル機関車に代わるオルターナティブな車両を投入することにした。独北部のブレーマーフェルデでは今夏にも水素燃料電池を動力源とする旅客列車のパイロットプロジェクトがスタートする。ヘッセン州のライン・マイン地域交通事業団(RMV)は22年末から4路線で水素燃料電池列車を運行する計画だ。最大26車両を調達する。来年にはメーカーが国内で電池列車の試運転を行う。
航続距離は電池列車で50キロ、水素燃料電池列車で1,000キロとなっている。