ドイツテレコム―光通信網投資に本腰―

独電気通信最大手ドイツテレコム(ボン)のティム・ヘットゲス社長は17日の株主総会で、光通信網の構築に本腰を入れる考えを表明した。2025年までに光通信網を全国に普及させる方針を政府が打ち出したうえ、競合ボーダフォンが独ケーブルテレビ大手ユニティメディアを買収しブロードバンド通信分野で攻勢をかける姿勢を示していることから、重い腰を上げた格好だ。

ヘットゲス社長は光通信網に直接接続する世帯の数を2021年以降、年200万のスピードで増やしていく意向を表明した。ドイツでは現在、光通信網に直接接続する世帯が75万にとどまることから、急速に増やすことになる。

ボーダフォンはユニティメディアの買収計画を発表した9日、ギガビット級の高速通信サービスを国内の2,500万世帯が利用できるようにする考えを明らかにした。これを受けドイツテレコムは光通信網の本格構築を余儀なくされた格好だ。

ただ、光通信網の本格敷設の条件として、規制の対象外とすることを要求している。ドイツテレコムが全国に持つ銅線通信ケーブルについては、連邦ネットワーク庁が定めた料金で競合に開放することを義務づけられていることが背景にある。同様の規制が光通信網に適用されると競合に有利になり公正な競争が保たれないと同社は強調している。

上部へスクロール