トルンプ―売上15%増に―

工作機械大手の独トルンプ(ディッチンゲン)が20日発表した2017年6月通期の暫定売上高は36億ユーロとなり、前期比で約15%増加した。世界の景気が好調で水準が押し上げられた格好。ただ、先行き見通しには陰りが出ており、ニコラ・ライビンガーカムミュラー社長は「長く続いた景気拡大局面は間もなく終わる可能性がある。我々はそれへの準備を整えておきたい」と語った。

売上高が最も大きい国はドイツで、前年の6億4,200ユーロから7億ユーロ強へと拡大した。2位は米国と中国でともに4億5,000万ユーロだった。ただ、増加幅は中国が13%に上ったのに対し、米国は8%と小さい。同社長はこれに絡んで、「通商摩擦の影響がすでに出ている。顧客は慎重になっている」と述べた。

足元の欧州事業も好調だった。蘭半導体大手ASMLの新世代半導体製造装置向けに、半導体チップの表面を極端紫外線(EUV)で加工するためのレーザー装置を供給していることが増収に大きく寄与したとしている。

産業用3Dプリンター事業も好調で、同事業の売上高が中期的に1億ユーロのケタ台に達すると予想している。

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