ダルムシュタットに走行禁止導入へ、州政府と環境団体が合意

独ヘッセン州政府と環境保護団体DUH、ドイツ交通クラブ(VCD)の3者は14日、同州南部のダルムシュタットに旧型車両の走行禁止区間を設けることで合意したと発表した。DHUとVCDは同市の環境浄化計画が不十分としてヘッセン州政府を提訴していたが、11月に和解交渉することで合意し、今回の和解に至った。旧型車両の走行禁止を求める係争で和解が実現したのは今回が初めて。

欧州連合(EU)加盟国は窒素酸化物(NOx)の濃度を1立方メートル当たり40マイクログラム(年平均)以下に抑制することを2010年以降、義務づけられている。ドイツでは首都ベルリンを含む多くの都市で同規制を順守できない状況が続いていることから、DUHはそれらの都市の大気浄化計画を不十分として提訴。すでに9都市を対象に走行禁止を命じる判決が下されている。

ダルムシュタットにも行政裁判所が走行禁止判決を下す可能性があったものの、DUH、VCD、ヘッセン州政府が和解したことから、判決は回避された。

3者は今回、遅くとも来年7月1日までにヒューゲル通りとハインリッヒ通りに旧型車両の走行禁止区間を設けることで合意した。走行禁止の対象とうなるのは欧州排ガス基準「ユーロ5」以下のディーゼル乗用車と「ユーロ2」以下のガソリン車。ハインリッヒ通りでは旧型商用車の走行も禁じられる。両通りに住む住民の車両やタクシー、ごみ収集車などは禁止対象から差し当たり除外される。

今回の合意のNOx濃度引き下げ効果が不十分と分かった場合、3者はさらなる対策の導入に向けて協議する。

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