インターンへの賃金支給義務免除ルールで最高裁判決

インターン(実習生)として働く者に対して企業は原則的に賃金を支給しなければならない。これは最低賃金法(MiLog)に定められたルールである。ただし、例外的に賃金支給義務が免除されるケースもある。実習生がオリエンテーションを目的に3カ月以内の実習を行うケースはこの例外の1つで、MiLog22条1項2に規定されている。この規定に絡んだ係争で最高裁の連邦労働裁判所(BAG)が1月30日に判決(訴訟番号:5 AZR 556/17)を下したので、ここで取り上げてみる。

裁判は乗馬施設で実習を行った実習生が同施設を相手取って起こしたもの。原告は2015年10月6日から3カ月間、被告の施設で実習を行うことで合意した。

原告は実習期間中、病気を理由に11月3~6日の4日間、休みを取った。また、クリスマスを家族で過ごすほか、他の乗馬施設で短期の実習を行うために、12月20日~1月11日の23日間、被告施設での実習を休むとともに、研修の終了日を当初合意の1月5日から同25日へと変更することで被告と合意した。

被告は原告に対し賃金を支払わなかった。オリエンテーション目的の3カ月以内の実習であれば賃金を支払う義務がないためである。

これに対し原告は、実習期間が延長され3カ月を超えたことから最低賃金(当時は1時間8.5ユーロ)を受け取る権利があると主張。総額5,491ユーロの支払いを求めて提訴した。

原告は一審で勝訴したものの、二審で敗訴。最終審のBAGでも判決は覆らなかった。判決理由でBAGの裁判官は、原告が病気と休暇取得という個人的な理由で被告施設での実習を休んだことを指摘。この期間は実習期間に算入されないとして、原告の実習期間は3カ月を超えなかったとの判断を示し、被告に賃金支給義務はないと言い渡した。

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