電機大手の独シーメンスは19日、モノのインターネット(IoT)の普及拡大に必要不可欠なサイバーセキュリティを実現するために同社主導で立ち上げた「信頼性憲章(チャーター・オブ・トラスト)」に三菱重工業が加盟することを明らかにした。三菱重工は9月末までに参加手続きを完了し17番目のパートナーとなる。アジア初のメンバー企業であり、これまで欧米勢に限られていた会員の地域的な幅が広がることになる。
同憲章は昨年2月のミュンヘン安全保障会議で立ち上げられた。当初はシーメンスとエアバス(航空宇宙)、アリアンツ(保険)、ダイムラー(自動車)、IBM(IT)、NXP(半導体)、SGS(技術監査)、ドイツテレコム(電気通信)の計8社とミュンヘン安全保障会議を主催する非営利団体MSCが参加。その後パートナーを16機関にまで増やしてきた。15日には独連邦情報技術保安庁(BSI)、スペイン国立暗号センター、墺グラーツ工科大学が準会員として参加した。
三菱重工の宮永俊一社長は「シーメンスおよびその他のメンバー企業に、サイバーセキュリティに関するチャーター・オブ・トラストへの参加を呼び掛けていただき光栄です。三菱重工にとり、サイバーセキュリティは重要分野であり、この分野における次世代ソリューションの開発には継続的に重点を置いています。チャーター・オブ・トラストの取り組みが、よりグローバル化することに貢献できるように願っております」と述べた。