ドイツのスヴェンヤ・シュルツェ環境相は2月27日、流通・製造業、消費者・環境保護団体の代表と会談し、不要な包装材を使用しないための方策を協議した。秋に予定する次回の会談で具体策を盛り込んだ協定を締結する考え。環境省はレジ袋の削減に向けた小売業界との協定が大きな成果を上げたことから、今回も協定に基づく経済界の自主的な取り組みを通して目標を達成したい考えだ。
樹脂製のレジ袋は自然分解されにくく、適切に廃棄処理されないと海洋生物が誤食したり、土壌・水質汚染を引き起こす。
欧州連合(EU)はこうした事態を深刻視。2015年3月にレジ袋削減に向けた指令を成立させた。域内の1人当たりの年間レジ袋使用量(厚さ50マイクロメーター未満)を2010年時点の推定198枚から20年に90枚、25年には40枚へと減らす目標だ。
独環境省と独小売業中央連盟(HDE)はこうした事情を受けて16年、樹脂製レジ袋を有料化する協定を連邦環境省と締結した。この結果、同年の樹脂製レジ袋消費量は前年比で33%減少。17年は35%減の24億枚となり、EU目標を達成した。
ドイツ政府はこれを踏まえ、レジ袋以外の包装材も使用量を可能な限り削減する考えだ。シュルツェ環境相は、「樹脂製ホイルに包まれたキュウリや樹脂製の皿を用いて包装された果物と野菜、あらかじめ包装されている小分けのウィンナーとチーズ」などを問題視。何度でも使える青果やチーズ用の包装材を用いればそうした無駄な包装を回避できると強調した。洗剤についても、詰め替えパック入りの製品を増やせば、樹脂の使用・廃棄量を減らせるとしている。