レンタカー大手の独ジクスト(プルラハ)は2月28日、レンタカー、カーシェアリング、配車をひとつのアプリで提供するサービスを開始すると発表した。同社はBMWとのカーシェア合弁から昨年1月に撤退したが、同分野の事業に再参入することになる。カーシェアとレンタカーの敷居を取り払ったサービスで需要を掘り起こす考えだ。
同社の新アプリはレンタカーサービスの「ジクスト・レント」、カーシェアの「ジクスト・シェア」、配車の「ジクスト・ライド」で構成される。
ジクスト・レントではカウンターでの手続きなしでレンタカーの予約と決済を行うことができる。すでにドイツの主要空港で同サービスを提供している。年内に欧米の他の空港と一部の都市の店舗にも広げる予定だ。
ジクスト・シェアでは、指定した区域内であれば借受・返却の場所を選ばず自由に利用できる「フリーフロート」型と特定の設置場所で借受・返却する「ステーション型」を組み合わせたカーシェアサービスを提供する。借受・返却の場所には世界の2,200カ所にあるレンタカー店舗を利用。利用時間が24時間を超えた場合は人工知能(AI)の働きで割安な料金体系が自動的に適用される。これにより、レンタカーとカーシェアが融合することになる。同社のアレクサンダー・ジクスト取締役(戦略担当)は「カーシェア単独ではニッチな商品にとどまる」と指摘。レンタカーと組み合わせることで市場を広く開拓できるとの見方を示した。
配車サービスのジクスト・ライドは世界の1,500以上のパートナーと組んで提供していく。すでに運転手100万人以上を確保しており、世界最大のネットワークの一つだとしている。配車にはタクシーを用いることも、一般ドライバーの車両を用いることもある。ドイツではもっぱらタクシーを利用する。