ウニクレディト―コメ銀買収に関心か―

イタリアの大手銀行ウニクレディト(ミラノ)が独同業コメルツ銀行の買収に関心を示しているとの観測が浮上している。英『フィナンシャル・タイムズ』紙などが消息筋の情報として報じた。3行は報道内容へのコメントを控えている。

コメ銀は現在、独銀最大手のドイツ銀行と合併協議を実施中。ウニクレディトはこれに横やりを入れる考えはないものの、交渉がまとまらなかった場合はコメ銀を買収し、ヒポフェラインスバンク(HVB)のブランド名で事業を展開する独子会社ウニクレディト・バンクと合併させる考えという。

ウニクレディトは2005年、独銀2位(当時)のHVBを150億ユーロで買収した。2年前にはコメ銀の買収を狙ったとされる。

イタリアの金融機関は現在、同国の財政計画をめぐる政府と欧州連合(EU)・欧州委員会の対立を受けて資金調達コストが膨らんでいる。ロイター通信によると、ウニクレディトはコメ銀を買収することで、その預金を資金調達源とできれば、資金調達コストを圧縮できるという。ただ、金融監督当局はドイツからイタリアに巨額の資金が移転されることを懸念しており、コメ銀の預金をウニクレディトがどの程度、利用できるかは定かでないという。

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