ドイツ連邦陸運局(KBA)が3日発表した3月の乗用車新車登録台数は前年同月比0.5%減の34万5,532台となり、2カ月ぶりに落ち込んだ。社用・公用車としての登録は4.4%増えたものの、マイカーとしての登録が8.3%減となり足を強く引っ張った格好。1~3月の累計は88万92台で、前年同期を0.2%上回った。
3月の新車登録を動力源別でみると、電気自動車は74.5%増の6,616台と、これまでに引き続き大きく伸びた。環境対応車の購入補助金制度が奏功した格好。シェアは1.9%に上った。ハイブリッド車は63.1%増の1万7,737台で、シェア5.1%を記録した。プラグインハイブリッド車は補助金の交付対象であるにも関わらず1.4%増の3,061台と小幅な伸びにとどまった。シェアは0.9%。
ガソリン車は前年同月比で6.4%減少し、シェアは昨年3月の64.0%から60.2%へと低下した。ディーゼル車は2.7%増となり3カ月連続で拡大。シェアは31.4%から32.4%へと伸びた。旧型ディーゼル車の市内乗り入れ制限を背景とする需要減に歯止めがかかっていることが一段と鮮明になっている。
新車の走行1キロメートル当たりの二酸化炭素(CO2)排出量は平均156.7グラムだった。欧州連合(EU)では昨年9月に排ガス検査方式が変更されたことから、KBAは今年、CO2排出量の前年同月比を公表しないことにしている。
増加率が最も大きかったブランドはテスラで、前年同月比453.0%増の2,363台へと急拡大した。2位はボルボで39.4%増の4,905台。このほかアウディ(15.9%増の2万9,751台)、スマート(12.6%増の4,113台)、スズキ(11.6%増の4,431台)が2ケタ台の伸びを記録した。
アウディとスマート以外のドイツ車ではオペル(6.4%増の2万2,505台)とミニ(0.7%増の4,690台)が増加。その他はすべて減少した。各ブランドの実績はVWが2.9%減の6万2,627台、BMWが3.1%減の2万5,458台、フォードが4.7%減の2万5,613台、メルセデスが5.2%減の2万8,054台、ポルシェが9.5%減の2,723台だった。
スズキ以外の日本車で前年同月を上回ったのは三菱(5.6%増の6,761台)だけだった。そのほかのブランドはマツダが3.5%減の7,092台、レクサスが4.1%減の284台、トヨタが14.2%減の7,188台、スバルが22.6%減の514台、日産が38.7%減の4,774台、ホンダが39.7%減の1,858台。
日本車以外の主な輸入ブランドではジープ(9.5%増の1,779台)、セアト(8.4%増の1万2,451台)、シトロエン(4.3%増の6,150台)、シュコダ(4.1%増の2万374台)、ダチア(3.5%増の6,487台)が増加。プジョー(0.0%減の7,091台)、ルノー(0.6%減の1万2,729台)、フィアット(1.8%減の9,951台)、起亜(3.7%減の5,658台)、現代(4.4%減の1万1,174台)、ランドローバー(17.8%減の2,222台)、ジャガー(26.3%減の987台)、双竜(25.5%減の172台)、DS(35.7%減の290台)、アルファロメオ(41.6%減の410台)は落ち込んだ。
一方、独自動車工業会(VDA)が2日発表した3月の国内乗用車生産台数は45万1,400台で、前年同月を14%下回った。輸出台数は9%減の34万3,300台。1~3月は生産台数が前年同期比10%減の126万4,400台、輸出台数が10%減の97万5,300台だった。