エネルギー大手の独RWE(エッセン)は米国とアジアで再生可能エネルギー事業を大幅に強化する意向だ。本国ドイツでは再生エネの助成額が低下していることから、成長市場の開拓に本腰を入れる。マルクス・クレッバー取締役(財務担当)がロイター通信に明らかにした。
RWEは2018年3月、独同業エーオンと事業交換することで合意した。子会社イノジーの株式76.8%をエーオンに譲渡し、エーオン株16.67%を取得したうえで、イノジーの再生エネとガス貯蔵事業、イノジーが保有するオーストリアのエネルギー大手ケラークの株式49%を握る。エーオンの再生エネ事業も取得する。これらの買収が当局の承認を得て実現すると、RWEは世界有数の再生エネ発電事業者となる。
クレッバー取締役によると、同社は今後数年で米国に数十億ユーロを投資。アジア市場にも遅くとも20年代後半までに参入する。
米国では陸上風力発電を中心に再生エネ事業を拡大していく。エーオンとイノジーの事業を取得するとRWEが現地に持つ陸上風力発電能力は3ギガワット(GW)となる。計画中のプロジェクトの発電能力は8GW。同社はこれに加えて新たなプロジェクト開発にも取り組む。
アジアンでは洋上風力発電が特に興味深いと述べた。具体的な国としては日本と韓国を挙げている。アジア市場開拓の準備を現在まさに始めるところで、20年代前半に現地で大型投資を行う可能性もあるとしている。