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ドイツ経済ニュース

マイカーによる移動の制限、容認は少数派

この記事の要約

地球温暖化を抑制するためには交通のあり方を改めなければならないものの、二酸化炭素(CO2)排出量の大幅削減に向けた政策の結果、マイカーによる移動が制限されることは回避すべきだと考える市民が多いことが、政策提言機関・独工学 […]

地球温暖化を抑制するためには交通のあり方を改めなければならないものの、二酸化炭素(CO2)排出量の大幅削減に向けた政策の結果、マイカーによる移動が制限されることは回避すべきだと考える市民が多いことが、政策提言機関・独工学アカデミー(ACATECH)の委託で世論調査機関アレンスバッハが実施したアンケート調査で分かった。移動ニーズのあり方が農村部と都市部で大きく異なることも浮き彫りになっており、ACATECHのトーマス・ヴェーバー副所長は、持続可能な移動システムを実現するためには地域によるニーズの違いと市民の希望・懸念を踏まえて総合的な構想を作り上げていく必要があると指摘。技術の改善や法的枠組みの整備だけでは不十分だと強調した。

アレンスバッハが16歳以上の市民を対象に実施した同調査によると、温暖化を強く懸念する人の割合は61%に達し、前年の51%から10ポイント増加した。昨年の干ばつなど温暖化の影響が顕在化していることが背景にあるとみられる。17年1月時点では同割合が37%にとどまっていた。

「交通分野の対策を通して温暖化を抑制できると思いますか」との質問では、80%が「できる」と回答。「できない」の13%を大幅に上回った。

「移動のあり方を改めなければならないと思いますか」との質問では「はい」が89%を占めた。そのうち「抜本的に改めなければならない」は46ポイントで、「部分的に改める必要がある」の43ポイントを上回っている。

一方、環境負荷を軽減するために「移動手段の選択肢が制限されなければならない」と考える人は37%にとどまり、「環境に優しい駆動装置と交通手段で対処できる」の47%を10ポイント下回った。ここからは環境改善に向けて自らの移動が制限されることを嫌う人が多いことが読み取れる。移動に絡んで10年後に期待することとして「移動に関する規制の強化」と回答した人は5%、「走行禁止の拡大」は同10%にとどまったのに対し、「近距離公共交通機関の拡充」は59%、「スマート信号による交通のスムーズ化」は58%、「電動車の利用の拡大」は34%に上った。

移動に際して特に重視する事項に関する質問でも「可能な限り柔軟性を保つことで特定の移動手段に深く依存せざるを得ないことの回避」が82%、「時間の計画が立てやすい」が71%、「目的地に最短時間で到着できる」が66%に達したのに対し、「可能な限り環境に優しい」は30%に過ぎなかった。

電動車の購入、「あり得ない」が6割に

移動手段では現在、乗用車の利用が最も多く、少なくとも一日に一度、利用する人は全体の53%を占めた。自転車の17%、近距離公共交通機関の8%を大幅に上回っている。

乗用車を毎日、利用する人の割合を地域別でみると、農村部で63%に達したのに対し、人口10万人以上の大都市では39%にとどまった。これを反映して、年間の走行距離が5,000キロ未満の人は農村部で28%と少なく、大都市では46%と多い。

大都市で自動車の利用度が低い背景には公共交通機関が充実していることがある。近距離公共交通機関を毎日、利用する人の割合は23%で、農村(同7%)の3倍強に達した。同交通機関に満足している人も69%に上り、農村部(31%)を大幅に上回る。農村部の満足度が低い背景には運行本数が少なく、運行網の密度も低いという事情がある。

内燃機関車に比べて環境に優しいとされる電動車については、今後数年以内の購入が「あり得る」との回答が21%に過ぎず、「あり得ない」(60%)の約3分の1にとどまった。購入しない理由としては「価格が高い」が最も多く、74%に上った。これに「航続距離が短い」(66%)、「充電ステーションが少ない」(60%)、「充電時間が長すぎる」(54%)、「技術が完成していない」(49%)、「環境に優しいかどうか疑わしい」(48%)が続いた。低価格化と性能の向上、充電環境の改善といった課題が解決されないと、利用のすそ野は広がらない見通しだ。