フォルクスワーゲン―引当金10億ユーロ、第1四半期減益に―

自動車大手の独フォルクスワーゲン(VW)グループ(ヴォルフスブルク)が2日発表した2019年1-3月期(第1四半期)決算の営業利益は前年同期比8.2%減の38億6,800万ユーロへと落ち込んだ。ディーゼル乗用車分野の法務費用として引当金9億8,100万ユーロを計上したことから、減益となった。売上高は3.1%増の600億1,200万ユーロへと拡大しており、売上高営業利益率は前年同期の7.2%から6.4%へと下落した。株主帰属の純利益は9.6%減の29億1,200万ユーロだった。

同社は引当金計上の具体的な理由を明らかにしていない。可能性としてはディーゼル車排ガス不正問題に絡んだ引当金を積み増したことのほか、アドブルー(尿素水溶液)のタンク容量をめぐってVWを含む独自動車大手3社が違法なカルテルを結んでいたとして欧州連合(EU)の欧州委員会が制裁金を科す可能性が高まっていることが考えられる。

特別費(引当金)計上前の営業利益は48億4,900万ユーロで、前年同期を15.2%上回った。VWブランド乗用車と商用車部門で増益となったことが大きい。高級車のアウディとポルシェはEUの新排ガステスト方式への適応の遅れが響いて減益となった。特別費計上前ベースの売上高営業利益率は8.1%で、前年同期の7.2%から0.9ポイント上昇した。

自動車分野の研究開発費は3.8%増の34億8,300万ユーロへと拡大した。電気自動車(EV)や自動運転車などの開発費が膨らんでいることが背景にある。投資額は11.8%増えて33億7,500万ユーロとなった。

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