独電気電子工業会(ZVEI)が9日発表した独業界の1-3月期の新規受注高は前年同期比で横ばいにとどまった。景気減速や通商摩擦、英国の欧州連合(EU)離脱をめぐる混乱が響いた格好で、国外受注が2.3%減と振るわなかった。国内は2.4%増加した。
3月の新規受注高は前年同月を2.8%割り込んだ。国外が4.3%、国内が0.9%の幅で減少した。
1-3月期の業界生産高は前年同期を実質2.6%下回った。3月も前年同月比3.1%減と振るわない。4月の工場稼働率は85.7%で、1年前の水準を約2%割り込んだ。受注残は3.8カ月から3.4カ月へと減少している。
4月の生産計画で拡大を予定する企業は21%、縮小は同11%だった。
1-3月期の業界売上高は472億ユーロで、前年同期を0.8%上回った。国内が1.3%増の224億ユーロ、国外が0.4%増の248億ユーロとともに拡大した。
3月の売上高は168億ユーロで、前年同月を0.6%下回った。国外は0.5%増の90億ユーロへと拡大したものの、国内が0.6%減の78億ユーロへと下落した。
4月の業界景況感指数は3.5となり、2カ月連続で落ち込んだ。現状判断と今後の見通しを示しがともに悪化。特に電子部品はマイナス22.1とダントツで悪い数値を記録した。電線(マイナス3.3)と計測機器・プロセスオートメーション(マイナス0.2)も振るわない。医療機器は26.9と好調で、鉄道車両(11.6)、配線システム(11.2)、電気駆動装置(11.1)も好調だった。電子部品では今後の見通しを「悪い」とする回答が53.1%に達し、「良い」(7.7%)を45.4ポイントも上回った。計測機器・プロセスオートメーションでも「悪い」が44.4%、「良い」が1.6%で、その差は42.8ポイントに達している。