米国企業がドイツに不満、デジタルインフラの不備などを問題視

米国企業のドイツ評価が悪化しているもようだ。在ドイツ米国商工会議所(AmCham

Germany)が2日の年次記者会見で問題点を指摘した。

フランク・スポートラーリー会長(物流大手UPSの独法人社長)は、「米国のビジネスマンは尊敬の念を以てドイツに赴任してくる。ところが、デュッセルドルフからフランクフルトに向かうICEの車中で電話をすると何度も途切れる。フランクフルト空港は深夜のフライト禁止規制があるため、夜遅くは利用できない」などと具体例を挙げ、こうした経験をすることで尊敬の念はすぐになくなると述べた。

AmCham

Germanyがコンサルティング大手アクセンチュアの協力を受けてドイツで事業を展開する米系会員企業を対象にアンケート調査では、デジタルインフラの不備、重い税負担、割高な人件費・エネルギーコストに不満を持つケースが多い。

スポートラーリー氏は、こうした問題を理由に重要市場のドイツからUPSが撤退することはないとしながらも、「次は(ドイツでなく)ポーランドに投資することを検討している」と明言した。

AmCham

Germanyとアクセンチュアの共同調査によると、ドイツで活動する米国系企業トップ50社の2018年の売上高は前年比5.5%増の1,770億ユーロに拡大し、伸び率は前年の3.4%を上回った。売上1位は自動車大手のフォードで、211億ユーロを記録。これに電子商取引のアマゾンが169億ユーロ、エネルギー大手のエクソンモービルが94億ユーロで続いた。

50社の売上全体に占める割合が最も多い業種は情報通信技術(ICT)で20.5%に上った。2位はサービス・流通(19.0%)、3位は自動車・自動車部品(15.5%)だった。

会員企業を対象に実施したアンケート調査では全体の77%が今年、売上増を見込んでいる。

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