ドイツ連邦統計局のデータをもとに連邦経済省が9日発表した昨年11月の鉱工業生産指数(暫定値)は物価・季節要因・営業日数調整後の実質で前月比1.1%増となり、2018年5月以来1年6カ月ぶりの高い伸びを記録した。製造業が1.0%、建設業が2.6%増えて全体を強く押し上げた。エネルギー業は0.8%減となり、3カ月ぶりに落ち込んだ。
製造業では投資財が2.4%増と特に大きく伸びた。同財の増加は3カ月ぶり。消費財は0.5%増となり、2カ月連続で拡大した。中間財は0.5%減少した。
鉱工業生産を特種要因による統計上のブレが小さい2カ月単位の比較でみると、10~11月は前の期の8~9月を実質0.7%割り込んだ。建設とエネルギーはそれぞれ2.1%、4.1%増加したものの、製造が1.6%縮小。自動車と機械では減少幅がそれぞれ4.3%、2.5%に達した。
経済省は、製造業の景気はなお低迷しているとしながらも、新規受注が安定してきたほか、メーカーの先行き見通しも改善していることを指摘。同業界の景気は今後、わずかながら明るくなってくるとの見方を示した。建設業については高い水準で上向き基調にあるとしている。