独高級車3社がそろって販売増に、中国依存は一段と深まる

独高級乗用車大手メルセデスベンツ、BMW、アウディの2019年販売統計が10日、出そろった。3社とも販売増を確保。世界市場が低迷する厳しい状況のなかで気を吐いた。好調な中国販売が業績をけん引しており、同国市場への依存度はこれまで以上に高まった。

販売台数が最も多かったのはメルセデスベンツで、前年比1.3%増の233万9,562台となり、9年連続で過去最高を記録した。高級車1位は4年連続。中国販売は69万3,443台で、前年を6.2%上回った。メルセデスベンツに超小型車ブランド「スマート」を加えた「メルセデスベンツ・カーズ」の乗用車販売台数は0.7%増の245万6,343台。スマートは9.3%減の11万6,781台で、減少幅は前年の4.6%から拡大した。

「BMW」ブランドの販売台数は216万8,516台で、増加幅は1.2%だった。中国が13.1%増の72万3,680台と好調で、欧州の不振が相殺された格好。BMWに「ミニ」と「ロールスロイス」ブランドを加えたBMWグループ全体の乗用車販売台数は1.2%増の252万307台となり、メルセデスベンツ・カーズを上回った。ミニは4.1%減の34万6,639台、ロールスロイスは25.4%増の5,152台だった。グループが販売した電動車は2.2%増の14万5,815台で、伸び率は前年の38.4%から大幅に縮小した。

アウディの販売台数は1.8%増の184万5,550台となり、2年ぶりに拡大した。比較対象の18年は欧州連合(EU)の排ガス検査方式変更への対応の遅れが響いて落ち込んでおり、その反動が大きい。欧州販売は3.5%伸びた。中国は4.1%増の69万83台だった。

19年販売に占める中国の割合は各社とも上昇した。アウディは前年の36.6%から37.4%、メルセデスベンツは28.3%から29.6%、BMWは25.7%から28.8%へと高まった。

中国汽車工業協会が13日発表した同国の19年の乗用車販売台数は前年比9.6%減の2,144万4,000台へと落ち込んだ。中米韓仏メーカーが軒並み落ち込むなかで、ドイツ車は2.1%増加。日本車(2.7%増)とともに販売増を確保した。

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