企業景況感5カ月ぶりに悪化、製造は好転もサービスが足かせに

Ifo経済研究所が27日発表した1月のドイツ企業景況感指数(2015年=100)は95.9となり、前月を0.4ポイント下回った。同指数の低下は5カ月ぶり。これまで低迷していた製造業は改善したものの、サービス業で大きく悪化。全体が強く押し下げられた。Ifoのクレメンス・フュスト所長は「ドイツ経済は警戒モードで新年のスタートを切った」と述べた。

今後6カ月の見通しを示す期待指数が1.0ポイント減の92.9となり、足を強く引っ張った。同指数の縮小は4カ月ぶり。現状判断を示す指数は0.3ポイント増の99.1へと拡大し、3カ月連続で改善した。

景況感指数(現状判断指数と期待指数の中央値)を部門別でみると、製造業はマイナス1.6となり、前月のマイナス5.0から改善した。7カ月連続でマイナスとなったものの、現状判断と期待指数がともに上昇。期待指数のマイナス幅はこれまでに引き続き縮小した。工場稼働率は前月の82.6%から83.1%へと0.5ポイント高くなった。

サービス業の景況感指数は21.3から18.7へと悪化した。期待指数が大幅に落ち込んだことが響いた格好。現状判断はやや改善した。数カ月前まで続いた製造業の景気悪化の影響がメーカー向けサービス分野に時間差で波及したもようだ。

流通業の景況感指数は2.2となり、前月の0.0から上昇した。現状判断と期待指数がともに好転した。卸売業が全体を強く押し上げた格好で、小売業では景況感が悪化した。

建設業の景況感指数は3.9ポイント減の14.0となり、4カ月連続で落ち込んだ。現状判断が2018年6月以来1年7カ月ぶりの低水準を記録。期待指数も4カ月続けて下落した。

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