フォルクスワーゲン(VW)の高級車子会社アウディ(インゴルシュタット)で、電気自動車(EV)「eトロン」の生産に支障が出ていることが分かった。ベルギーのベルガ通信が報じ、同社が追認したもので、部品の供給不足が原因となっている。
ロイター通信が業界情報として報じたところによると、電池部品の供給に問題があるもようだ。自動車業界では電池の中核部品であるセルの安定供給が難しく、大きな課題になっているという。アウディの以前の情報によると、同社はセルを韓国のLG化学とサムスンSDIから調達している。
eトロンはEV専門メーカーである米テスラに対抗するモデルとしてアウディが初めて投入したEV。欧州では昨年3月、米国では夏、中国では秋に引き渡しを開始した。昨年の販売台数は2万6,000台。昨年6月には発火の恐れがあることを受けて、米国で顧客に引き渡した車両の半数に当たる540台をリコールした。
欧州ではベルギーのブリュッセル工場で生産している。部品の供給不足を受けて同工場ではアルバイトの契約更新の見合わせのほか、操短申請を検討している。